広く公共的課題の設定、分析、提言を目的に、計画行政の各分野にたずさわる研究者、行政担当者、実務者等による学際的研究成果の発表と相互交流を行うことを通じて、理論と実践を統合する学問体系の確立をめざす

会長挨拶

会長挨拶

 このたび日本計画行政学会会長を拝命いたしました。本学会は、昨年40周年を迎えました。これまで培われてきた伝統を継承し、さらなる発展に努力してまいりたいと思います。

 客観主義と道具的合理性を特徴とする近代的な計画の概念が明確になるのは、およそ19世紀のことです。19世紀に入って以降、世界的な規模で、所得、人口が指数関数的に増加してきたことは、この時期を境にして、社会が大きく変質したことを示しています。成長の源泉は、客観主義と道具的合理性という理念のもとに、知識が指数関数的に成長を可能にする社会制度ができたとこと密接に関係しています。社会の計画化が進行したと言い換えることができます。その結果、社会は豊かになったけれども、はたして我々は幸福になったのかという疑問は、当時すでに提起されていたにもかかわらず、いまだに解を見いだせないままです。

 中山伊知郎初代会長は、本学会設立にあたって「計画の源泉には思想と科学があり、行政の基盤には組織と技術がある」と述べております。人口爆発、それに続く少子高齢化、気候変動、AIと人間の関わりといった問題は、科学と技術の問題としてだけではなく、思想の問題として捉え直す必要があります。そのことは、計画という概念そのものを思想の問題として捉え直すことと通じています。公と私の区分を再定義すること、フォーマルな制度とインフォーマルな社会の関係を再構築すること、そういった作業に基づいて計画の概念を見直すことが求められています。

 本学会は、「計画行政を対象とする学問は人文科学、社会科学、自然科学のすべての領域に及ぶと同時に、その担い手は学者・研究者、行政担当者、企業人消費者など、多様である必要がある」と設立趣意にあるように、学祭的であることと、理論家と実践者の交流・連携を設立当初より重んじてきました。強みではありますが、弱点にも転化しやすい特徴です。各分野で蓄積されてきた経験知、理論知を計画行政という一つの学問体系として確立するという、学会設立の根本に立ち戻って挑戦し続けていきたいと思います。

 日本計画行政学会は平成26年に一般社団法人となりました。また長年事務局を担ってきた統計研究会の廃止にともない、本年4月より新事務局への移転を行いました。この数年は、組織体制移行に多くのエネルギーが割かれてきましたが、今後は活動の充実に力を結集していきたいと思います。

 会員の皆様のご協力をお願いするとともに、学会の一層の発展に微力ながら精一杯尽くしたいと思います。

 

一般社団法人日本計画行政学会 第13代会長 坂野達郎(東京工業大学教授)

歴代会長

歴 代 氏 名 主たる職 在任期間
初 代 中山伊知郎 日本学士院会員 昭和52年8月27日-55年4月9日
第2代 有澤廣巳 日本学士院院長 昭和55年11月7日-58年10月6日
第3代 大来佐武郎 内外政策研究会会長 昭和58年10月7日-平成元年3月31日
第4代 加藤 寛 慶應義塾大学教授 平成元年4月1日-7年3月31日
第5代 藤井 隆 立正大学教授 平成7年4月1日-11年3月31日
第6代 熊田禎宣 東京工業大学教授 平成11年4月1日-14年3月31日
第7代 廣松 毅 東京大学教授 平成14年4月1日-17年3月31日
第8代 黒川和美 法政大学教授 平成17年4月1日-20年3月31日
第9代 原科幸彦 東京工業大学教授 平成20年4月1日-23年3月31日
第10代 大西 隆 東京大学教授 平成23年4月1日-26年3月31日
第11代 細野助博 中央大学教授 平成26年5月31日-28年6月17日
第12代 根本敏則 敬愛大学教授 平成28年6月18日-30年6月16日
第13代 坂野達郎 東京工業大学教授 平成30年6月17日-

※所属は就任当時のもの

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